赤い椿
あの日、あなたのイニシアティブで私はコントロールされた。
次は、私のたくらみであなたは罠に嵌められる。
どちらにしても、私の自尊心と虚栄心は満たされなくてはいけない。
虚飾の言葉でかまわない、いっそその方が納得できる。
美辞麗句を吐いて、私の中の女をもう一度めざめさせて。
そのために、あなたは私に出会ったのだから。
雪の中に咲く椿のように、「朱」は「白」があってこそ、よりいっそう映える。
「朱」は、存在理由を探し求めるために、「白」を必要とする。
たとえ首を切り落とされ、落ち椿となっても、八重の花びらは雪の上で赤く咲きほこるだろう。
また、椿をいだいた雪は、より透明感を増す。
そして、私が真紅に染まることで、あなたは螺鈿のように輝くだろう。
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